pi-top ケーススタディ(2)
アメリカ テキサス州の「ペコス高校」
一度のSTEAM授業が自信を倍に「pi-topは教室に革命をもたらす」
ジェラルド・ジョリトはテキサス州Pecos(ペコス)高校で、インストラクショナル・テクノロジスト(教授技術者)、科学、ロボティクスの教師として働いている。学校が掲げる目標は、最高の教育を生徒に批判的思考、問題解決能力ならびに決断力が身につくようなのびのびとした創造的な環境で提供することだ。最近になってジェラルドはpi-topをSTEAMの授業に使い始めた。
生徒数:646名(中学3年生から高校3年生)教師1人あたりの生徒比:1対22
質の高いSTEAM授業を行うため、ペコス高校では生徒の興味を引きつけ、実践的、かつ問題解決能力のための創造性と創意工夫を引き出すような製品を探していた。学校ではSTEAM教育の分野で上記のような能力を発達させるため、pi-topを使いはじめた。ジェラルドによるとpi-topを授業で使ってから9割以上の生徒がより強い興味を示すようになり、やはり9割を超える生徒が問題に直面した際みずから解決方法を見つけることを学び、そして全員が試行錯誤や創作活動、リバースエンジニアリングといった分析への自信を深めた、という。
STEAM教育を提供するうえで学校が志したこととは
ペコス高校はあらゆる生徒にとって夢中になれるもの、自分たちで設計することで過程への理解をも深め、さらに電子工学とプログラミング双方のしっかりした素地ができるようなSTEAM教育の提供をめざした。
またそれだけでなく、生徒が創造性をもちそれぞれが独自の発想をもって取り組み、そして生み出したものを現実世界に持ち込めるようにしたかった。
pi-topはこうした要求をすべて満たしてくれたとジェラルドは話す。またInverntor’s Kitと使いかたのチュートリアルがついていることもあり、彼の言葉を借りればpi-topを使ったことで「授業が生徒にとってさらに興味を引くものになり、教師としてもとても教えやすくなった」という。
pi-topが学校教育の期待に応えることができる理由
ジェラルドはpi-topについてこう話す。「繋いだらすぐ動かせるのでとても気に入っています。2年前Raspberry Piをいくつか買いましたが、対応するモニターが産業グレードの品質レベルのもので授業では使えませんでした。なので、モニタードライバを探しターミナルを使いインストールしました。ですが、プログラミングに不慣れな生徒には敷居が高かった。あとOSもインストールしなければいけませんでした。20名強の生徒がいるとよせられる質問の数も膨大です。pi-topではこういった問題は起きませんでした。製品を取り出して、すでにOSがインストールされたmicroSDカードを入れた後は、すぐにどうやって使うかの指導を始めることができました。
ハードウェアやソフトウェアはとても頑丈にできており、マグネット式レール、ハブ、ブレッドボードの使用感も非常に良く、Raspberry Piのプラットフォームをモジュール化するのにも適していると思います。バッテリーはありがたいことに長時間もってくれます。インターフェースも優れている。デザインがとてもいいし、初心者でも親しみやすい。くわえてpi-topCODERのチュートリアル一式が入っているのもすばらしいと思います。たいへん効率良く仕組みを理解できるようになっています。
授業は初心者にも親しみやすく、かつRaspberry Piを使ったことのある人にとっても、大いに楽しめるものとなっています。私の生徒もpi-topを使うまでRaspberry Piにさわったことはありませんでしたが、そうした技術を早々に吸収していきました。
pi-topのカリキュラムは協働学習(collaborative learning)とも相性がいい。生徒は互いに協力してプログラミングやハードウェアの課題に取り組むだけでなく、プロジェクトのバグ修正を手助けしてくれるという専門家と協力する機会に恵まれました。つい先日もイギリスにいるソフトウェアエンジニアと生徒たちが、オンラインで話し合いをしていました。」
またpi-topのテクニカルサポートの充実も嬉しいポイントだと話す。プロジェクトを動かすのに手間取るような場合「すぐつながり、解決法を示してくれます。こういったサポートがあれば、安定してプロジェクトを進めることができるし、諦めてしまう生徒も減らせるのでとても大切なことだと思います。」
pi-topに対する生徒の反応は?
ジェラルドのみたところ「生徒の9割以上がpi-topを授業で使うことで高い集中力を示すようになり、同じく9割を超える生徒がプロジェクトの創作過程でつまずいても挫けないようになりました。残りの1割以下の生徒は挫けこそしましたが、それでも諦めず続けています!今ではすべての生徒がpi-topを使ったことで、試行錯誤や創作活動、リバースエンジニアリングといった分析への自信をさらに深めたと実感している」という。
どのレベルの生徒もpi-topをうまく使ってくれている。組み立てもしやすく、すぐ始められると同時に段階的に拡張もできるので、Raspberry PiやPythonの熟練したユーザーであっても十分に手応えを感じるようにも調整できるからだ。
また、ある生徒の変化についてもジェラルドは話してくれた。彼は中学3年生の頃から上位の成績を取り続けていて「最初の試みですべて完璧に完成させることに執着していた。なので彼のグループがプロジェクトをうまく動かせないことにとてもイラついていた。失敗経験が彼にとってひどく辛いことも見ていてわかりました。でも他のグループが完成するまで失敗しては挑戦し続ける様子をみて彼の姿勢が変わりました。一度目の挑戦で正解を得られなくても、前ほど気にならなくなりました。今では気負い過ぎることなく、作る過程をより楽めるようになりました。」
またPecos高校に通う2年生のブランカ・ガレゴはこのように話してくれた。「私がpi-topの機能でいちばん気に入っているのは、一歩ずつ段階を踏みながら学ぶことのできるプロジェクトの仕組みです。シンプルにまとまっているけど、とても充実しています。」(ブランカありがとう!)
保護者の方々からの反応
pi-topは実際にそれをみたり、うわさを聞いた保護者からも興味を集めている。ジェラルドが指摘するように「私たちのほとんどがコンピューターのない時代、もしくは閉じられたネットワークの時代に育っています。なので子どもたちがコンピューターを使いこなして、ものづくりをしている姿に驚く保護者も多くいます。」
pi-topはどのレベルの知識や技量を持った生徒であっても興味を惹きつけており、実際に手を動かし工夫を重ねることによって創造力を磨き打たれ強さも育てる。
ジェラルドは最後にこう付け加えた。pi-topは「好奇心を刺激し、人をわくわくさせる。教育に大きな変化をもたらすでしょう。」
pi-topを使った“体験的な学び”がどのようにあなたや生徒、学校教育の手助けとなるか、より詳しく知りたい方はこちらからご連絡ください。
この記事はpi-topのブログ記事 “Case study: Pecos High School” を許諾の下で翻訳したものです。