設立の目的
20世紀までの社会は同一の価値観の中で、社会のルールや法則にも明確な順番や優先順位が存在し、比較的順序立てて考えれば、明確な回答を導き出せる社会でありました。しかし、21世紀に入り、インターネットの普及と共に、今までとは異なる繋がりや情報伝達によって、多様な価値観・多様なルールが許され認められる社会へとなりつつあります。そのため、教育の分野においても「多様性への対応」が必要となり、従来の科目ごとの知識偏重型学習ではなく、多くの情報の中から必要だと思われる情報を収集し、それを論理的に精査・まとめあげる能力の育成が重要となってきております。また「正解がひとつではない」または「正解と呼べるものがない」「目的によって正解が異なる」という状況に中で、自分たちにとってどの選択肢が最良なのかという選択に常に迫られるため、その状況に慣れ、常に冷静に判断し前進する訓練が大変重要になってきます。
この 「正解がひとつではない」または「正解と呼べるものがない」「目的によって正解が異なる」 という状況は、プログラム開発の現場ととても酷似しております。そのため、文部科学省では「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力のことを 「プログラミング的思考」と位置付けています。 この「プログラミング的思考」の学習は、2020年から小学校で導入が開始される予定になっており、すでに実験的に授業が開始されている自治体や学校が存在します。
近年、インターネットが普及し全てのものがネットワークにつながったIoT社会が実現しつつあります。また日本では、少子高齢化が進み、さらに働き方改革によって総労働時間数が減少する中で、 様々な分野でロボットを使った自動化やAI導入による効率化・省人化が重要な課題となっています。
これらのロボットもAIもすべて「プログラミング」によって制作された「プログラム」によって制御されており、プログラミング能力自体も、今後の社会を維持・変革していく上で、重要な基礎的能力となることは間違いありません。
オバマ前大統領によって広まったと言われている 「STEAM教育」 とは、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育」に、 Art(芸術)を加えて提唱された教育手法をいいます。
日本は資源に乏しく、古くは加工貿易、近年は技術・コンテンツが国を支えてきました。今後の日本を支える重要な基礎能力がプログラミング的思考であり、プログラミング能力であることは間違いありません。
高度経済成長期を支えた60代以上の方々が小学生の頃に最も学びたかった習い事が「そろばん」だったそうです。(ベネッセ調べ)当時は「読み・書き・そろばん」と呼ばれていたくらい、そろばんは重要な能力だったと記憶しております。
その後、電卓・ワープロ・パソコンが登場すると、そろばんの重要性は低くなってしまいました。プログラミングも将来いつか自動でプログラミングされるようになり、コンピュータがコンピュータを、ロボットがロボットを自分自身で設計・制作する時代が来るかもしれません。しかし、それまではまだかなりの長い年月が必要だと思われます。
私ども先端プログラミング教育協会では、「プログラミング的思考」および「プログラミング能力」は、21世紀を生き抜くための「そろばん(基礎能力)」であるととらえ、その習得方法の研究・普及を目的に設立いたしました。
STEAM教育 とは・・・
Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育」に、 Art(芸術)を加えて提唱された教育手法のこと。
プログラミング的思考 とは・・・
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力のこと。